2015年 07月 25日
カナダスキーナ水系 釣り編 前半 |
何時だったか記憶が曖昧だけど、毎朝眼を覚ますとロッジの外はまだ真っ黒。Missyさんが準備してくれた美味しい朝食を食べ終わり、そそくさと釣りに行く準備を始める。ウェーダーを履き、シューズの紐を締めると言い様のない緊張感に包まれ、同じ気持ちの同行者と目が合い、互いに頷きあった。
Darrenさんのピックアップトラックに乗り込み、ボートランチへ。ジェットボートを降ろすDarrenさんの姿を見ていると、一昨年の記憶が蘇り、とても懐かしい気持ちになるのが不思議だった。ジェットボートに乗り込み、いよいよ釣りが始まった。
本当にこの川の景色は美しい。“I like Skeena! We like Skeena!"と戯けてMike君と山に向かって叫んだ。
ポイントに到着し、Darrenさんから簡単なインストラクションを受け、キャストを始める。力みもなく意外とリラックスできている。水面をスイングするラインを眼で追っていると、本当に幸せな気持ちになる。スティールヘッド初心者の僕だけれども、この釣りが本当に好きなんだなぁと改めて思い、無心にキャストを繰り返した。
午前の釣りも終了かなという頃、先行するMike君が“Fish!”と叫んだ。軽いティップで表層付近を流していたので、後ろの僕にもヒットした瞬間の水柱が見えた。慌ててロッドを置き、走る。Mike君は顔が紅潮し、興奮してファイトしている。暫しのファイトの後、無事にネットイン。皆で歓喜の声をあげた。
娘さんからもらったと言う幸運を呼ぶ四つ葉のクローバーの絵を片手に、とびきりの笑顔だったなぁ。何度も何度もThank youと繰り返していた。
Darrenさんが『まだこのランにはいると思う。今度はワタルが先行で流して。きっとサカナは岸寄りの駆け上がりについているはず。丁寧に攻めてみて。』と。
同行者が先に釣ると僕はその日は釣れない(笑) いつものジンクスなので、半ば気持ちは諦めていた。気楽な気持ちで30mほど釣り下った時、コツンっとした感触がロッドを通して手元に。僕は思わずバイトっ! と叫んでいた。Darrenさんがゆっくりと僕の方に近づいて来る。半歩下ってもう一度フライをスイングさせた。
フライが岸寄りの駆け上がりに差しかかった時、手元にドンっと言う感触が伝わり、フライを咥えたサカナが水柱を立てた。スティール! と叫ぶと、後ろには大きなネットを抱えたDarrenさんが。リールが何度も何度も逆転し、13'6"#8 のロッドが満月に。スティールは強くて、想像以上に動きが早い。Mike君も掛け付けてくれて、僕を囃し立てる。ファイトの時間は覚えていないけれども、気持ちは意外に冷静だった。だけど、お世話になり釣行の報告をしたいと思う多くの人の顔が次から次へと浮かんだ。
ヘッドまで寄せては、また走りを繰り返した。サカナの姿が見え、クロームと呼ぶに相応しい銀色の魚体が確認できた。Darrenさんがネットを構えた。アイコンタクトをとって、、、無事にネットイン。僕にとって最初のスティールヘッド。歓喜の瞬間だった。喜びと安堵、なんとも言えない感情が湧き上がり、河原で雄叫びを上げた。
Darrenさん、Mike君と固く握手を交わし、喜びを分かち合った。改めて幸せな気持ちになった。ここまで来られたことを家族に感謝し、ネットに横たわる魚体を確認して、神々しいサカナだと思った。
この日は、午後からのポイントでもう一匹追加。何はともあれ、遠征の前半しかも初日に念願のサカナがキャチッできることはとても精神衛生上良い(笑)。雄大な景色の中でロッドを振り釣りをしていること自体は、とても幸せな時間ではあるけれども、やはりサカナが釣れないとガイドも同行者も、そして自分自身も…ちょっとツライから(^^;;
初日の夜、夕食はワインで乾杯、乾杯。Missyさんも我々2人の釣果にとても喜んでくれた。ビデオを見て、みんなでワイワイ。とても幸せな時間が過ごせた。
部屋に戻り、スティールの写真を繰り返し繰り返し眺めては、スコッチを啜った。じんわりと何とも言えない感情が湧いて、スペイを始めた頃のこと、一昨年の遠征のこと、昨春の悔しい思い出、今日の楽しかった釣り…至福の時だった。
釣り編 後半につづく
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by hola1966
| 2015-07-25 11:24
| 釣行記(海外)